軍手 製造 販売
春日手袋製造有限会社
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軍手の話  第2回 <特紡糸は、リサイクル繊維>
春日手袋の綿軍手(020 , 025 , 016)に使われている特紡糸は、環境にやさしいリサイクル繊維です。特紡糸は糸が太く、風合いがあり軍手の製造になくてはならない糸です。

特紡糸 : 古くは愛知県岡崎市の”ガラ紡”に始まりますが、今でもその流れを引き継いで 、岡崎には、繊維クズを全国から集めてくる業者、反毛屋、特紡の紡績が集中しています。

今回、お客様から、軍手の糸はどうやってできるの?、軍手を使うと繊維資源をむだに消費しているのではないか、といったお声をよく頂きますので、特紡糸ができるまでをご説明致します。
   

反毛機 : 繊維クズ→綿(わた)

特紡糸の原料は、綿と合成繊維の混紡です。
特紡糸の原料になる綿(わた)は、綿糸製造の過程で発生する”落ち綿(おちわた)”合成繊維を製造する工程で発生する”クズ糸”、衣料品などを製造する過程で発生する”裁断クズからできています。これが、特紡糸はリサイクル繊維と言われる理由です。
この原料を反毛機にかけて、綿(わた)にします。

特紡糸を製造しているそれぞれの紡績は、原料の種類、配分、よりの強弱など、自社の特徴を出した特紡糸を製造しています。
愛知県岡崎産の特紡糸は綿率が高いのが特徴です。大阪の泉南の特紡糸は綿率は低いのですが、糸の色が白く、編みたてたとき真っ白な軍手ができます。

カード流綿機 : 綿(わた)→シノ

わたの繊維をそろえていきます。
針の植わったドラムが幾重にも回転し、回転方向に繊維をそろえていきます。薄いわたができました。

シノ

わたを切り分けていきます。このときの切り分ける幅が、糸の番手になります。
巻き取った物は、シノと呼ばれます。シノ手 or シノ軍手と呼ばれる軍手は、この状態の物を軍手に編み立てたものです。

リング精紡機 : シノ→糸

よりを掛けて、始めて糸になります。

最後にワインダーで巻き取って、特紡糸のできあがり。

   
 

空紡糸


上に紹介した特紡糸の製造工程以外に空紡と呼ばれる方法があります。
わたの状態から空気の流れを使って繊維をそろえ、そのまま、よりまでかけてしまいます。
空紡糸 or オートコロン と呼ばれ、以前は、綿糸などの細い糸を作っていましたが、10年くらい前から、空紡の特紡糸もでてきました。

   


軍手の話  第1回 <編機の移りかわり>

今では全自動手袋編機で編んでいる軍手ですが、最初は手動の小横(こよこ)と呼ばれる横編機で編んでいました。
小横とは、横編機の小型のもので、セーターの襟、ポケットなど、小さなものを編む編機です。ちなみにセーターなど大きなものを編むには、大横(おおよこ)と呼ばれる大型の横編機を使用します。

小横で軍手を編むには、指を一本一本編んで針から外し、また掛けたりと手間のかかる重労働の作業でした。それでいて生産量は一人一日5〜6ダースがやっとでした。
その後、石川式五指連続手袋編機が出現し、指又の重なりを作るカミソリが発明され手袋の品質も向上し、一人当たりの生産量も3倍程増加しました。しかしそのため、慢性的な生産過剰を招き、問屋から買い叩きにあい、採算の悪化を長時間労働で補う悪循環をくりかえしました。
昭和35年頃になって編機の往復運動だけを自動化した半自動機の出現により、重労働からは開放されました。

昭和40年、和歌山県の島精機製作所から軍手の全自動手袋編機が発売されました。
春日手袋でも5台設備しました。全自動といっても、今の軍手のように指先が丸くなく、四角でしたので、指先を丸くする、カガリという内職作業がありました。、この島精機の編機は、あまり具合がよくありませんでした。すぐ後に発売された、愛知県の松谷鉄工所の角型と呼ばれる全自動手袋編機を設備した人たちは、高度成長期の波に乗って軍手が爆発的に売れたこともあり、大きな利益を得ることができました。、それによって軍手の産地では”手袋御殿”と呼ばれる大きな屋敷がたくさん出現しました。
その後、島精機製作所と、松谷鉄工所は互いにしのぎを削りながら、性能のいい編機を作っています。 

つづく